水回りのリフォーム

水回りのリフォーム

ウイング

1.キッチンのレイアウトの種類

I型
キッチンセットを一列に並べたレイアウト。調理中の動作は単純ですが、幅が広すぎると作業時間が長くなり、かえって疲れやすく作業効率が悪くなります。 幅は最大でも350cmぐらいまで。コンパクトキッチン向けです。

 II型
I型に比べて作業面積・収納が多く取れますが、振り返り動作が増えます。また、通路幅が狭いとキャビネットの扉が開けにくいので、通路幅は最低80cm、標準で120cmは必要です。

 L型
一般的にはDKタイプに採用される場合が多く、2人以上で調理する場合には適しています。また、I型よりも約3分の1ほど作業動線が短くなり、身体の動きを90度変えるだけで作業できるので楽です。 コーナー部分を生かすと調理スペースがたっぷり取れますが、台下をデッドスペースにしないような収納の工夫が必要です。

 U型
最も作業面積が多く取れますが、部屋の面積も必要です。また、閉鎖された独立型のキッチンになりがちですので、シンク前をカウンターにしてオープンにするとよいでしょう。 U字の真ん中部分の空き寸法は、80~120cm程度の適度な狭さのほうが動線を短縮できます。

 アイランド型
キッチンの中間スペースにキッチンセットの島をつくります。I型やL型と組み合わせて、ガスレンジやサブシンクをアイランドにというケースも多くなっています。にぎやかな料理を楽しみたい家庭向きです。

 ぺニンシュラ型
L型・U型の一部が半島のように突き出した型。半島の部分には内側にシンク、外側にカウンターを設けて、対面式にすることが多いようです。 設計の自由度が大きいので個性的なキッチンが造れますが、LDに接していることが多いので、リビングからの視線を考慮しての設計が大切です。

2.キッチンの天板の材質

キッチンに汚れはつきもの。特に調理カウンターは熱い鍋を置いたり、調味料や酢がこぼれたりするので、メンテナンスが簡単で、しかも強い素材を選びたいものです。 また、オープン・セミオープン型のキッチンではインテリア性も大切です。
これまで主流だったステンレス以外にも、見ために美しい新素材が増えています。

 

 ステンレス
汚れや熱・水に強いことから、最もよく用いられる素材。
また、シンクとワークトップを一体にできるので、水作業の多い家庭向きです。
エンボスなど表面加工を施して、金属特有の“冷たい感じ”をなくしたものも出ています。

 人工大理石
高級感があり、インテリア性が高い素材。キズ・汚れに強く、耐久性も優れています。 普段のお手入れは中性洗剤で細かいキズもクリームクレンザーなどで磨けばほとんどきれいになります。

 タイル
水・熱に強い素材ですが、目地はどうしても汚れやすいので、あまり小さなタイルは使わないほうが賢明です。 色や模様、貼り方のデザインバリエーションは豊富です。

 樹脂系
メラミン化粧板はデザイン・色のバリエーションが豊富。ローコストでカジュアルなインテリアに向いています。

 木質系
手触りがよく、見た目にも暖かな印象を与えます。
表面の塗装をしっかりとして耐熱・耐水性を高める必要があります。

3.キッチン扉の材質

システムキッチンの扉材は、壁材や床材などとともに、キッチンのインテリアイメージに大きく影響します。 材質の種類やデザイン・カラーバリエーションが豊富にあり、つい見ための美しさやデザインの格好よさにとらわれがちですが、使いはじめてからのお手入れなどを考えると、材質にも注意が必要です。

 

 メラミン化粧板
紙にメラミン樹脂をしみ込ませ、熱を加えて固めたシートを板の表面に貼り付けています。
耐水性・耐熱性に優れ、表面が硬く傷つきにくいので、キッチンには適しています。

 ウレタン塗装仕上げ
高級木製家具に多く使われている、ウレタン樹脂塗料を板の表面に塗装したものです。
塗膜が強靭で耐摩擦性に富んでおり、外れにくく耐薬品性にも優れています。

 

4.気泡風呂の効果

最近、温泉やホテルの風呂で体験した人が、その心地よさをわが家にも…と、自宅にも取り付けるケースが増えています。 気泡風呂は“なんとなく心地よい”だけでなく、健康や美容面からみても、さまざまな効果があります。

 

 入浴感を高めて、心身ともにリラックス
勢いよく吹き出す泡が浴槽いっぱいに満ちあふれ、身体を包んで弾ける心地よい刺激が入浴感を高めます。 ゆったりとくつろいだ気分で、バスタイムを楽しむことができます。

 自然界の「ゆらぎ」のなかでリラックス
そよ風、波の音、小川のせせらぎなどには、リラックスしているときの脳波や心拍に共通する周期や振幅のパターンがあります。 この自然界にある心地よいリズム「ゆらぎ」は、私たちにやすらぎ感やりラックス感を与えてくれます。 この「ゆらぎ」を気泡の出方に応用した機種があります。「ゆらぎの気泡」とは、一定のゆらぎのりズムを人工的につくり出し、それに合わせて気泡の出方がランダムに変化。 絶妙の心地よさが味わえます。

 温浴効果を高め、湯冷めしない
気泡が身体に当たって弾けるときに超音波を発し、熱エネルギーに変化するので全身がポカポカ温まります。身体の芯まで温まり、湯冷めしにくくなるので、冷え症の方もゆっくりおやすみになれます。

 肩や腰の痛みをやわらげる
気泡が弾けるときに出る超音波には、身体中の細胞を細かく振動させる働きがあります。そのため、血行がよくなり、肩こりや腰痛もすっきり解消、筋肉疲労にも有効。徐々に痛みがやわらいでいくのが実感できます。

 お肌をきれいに美しくする
超音波が皮膚の細胞を刺激すると、皮膚老化の原因となるアカや脂肪、老廃物などの汚れが落ちやすくなるため、毛穴の奥まですっきりします。新陳代謝もよくなるので、ハリのあるみずみずしい肌を保つことができます。さらに、気泡を生かしてエステティックやシェイプアップ効果も期待できます。

5.浴槽の選び方

浴槽は大きさや、またぎ込みの高さ、形態、素材などが違うさまざまなタイプがあり、それらによって出入りのしやすさなどが決まってきます。そのため、浴槽を選ぶ際には念入りな検討が必要です。

 

 和式
和式は深さがたっぷりあり、ひざを折って入るので、子どもと一緒に入ったり、肩までつかりたい人向きです。ただ、この入浴スタイルは水圧による影響で身体が収縮し、呼吸運動や心臓の働きが活発になり、心臓病や高血圧の人、あるいは高齢者にはあまり好ましくないとの指摘もあります。和式の基本サイズは、長さが80~120cm、深さは60cm。

 洋式
浅く長い浴槽に寝た姿勢で入浴できる洋式タイプは、体に無理な圧迫をかけません。
ただし、身体が浮くことがあり、肩までつかれないと寒く感じます。また、介護を必要とする人を入れる場合には、縁が低いので入れやすいのですが、滑りやすく立ち上がりにくいので、滑り止めや手すりが必要です。洋式の基本サイズは、長さが120~180cm、深さは45cm。

 和洋折衷式
和式と洋式の両方の長所を合わせたタイプ。肩までつかれ、適当に身体を伸ばすこともできます。最近はこのタイプがよく使われるようになってきました。和洋折衷式の基本サイズは、長さが110~160cm、深さは60cm。
また、素材についても以前は種類も少なかったのですが、最近はいろいろな素材が選べるようになり、色も形も多種多様で迷ってしまうほどです。浴室のイメージに合った素材を選び、その素材に合ったお手入れをすることが大切です。

 FRP
ガラス繊維で強化したポリエステル樹脂を使用、浴槽の素材として最も一般的です。なめらかで温かな肌ざわりが楽しめ、カラーバリエーションも豊富。
ただ、汚れや傷がつきやすいなどいくつかの弱点もみられますが、材質の改良が進んでいます。

 ホーロー
鋼板ホーローと鋳物ホーローがあります。鋳物ホーローの方が厚みのある素材を使っているので重量感があり、丈夫で錆や腐食に強いなどの特徴があります。しかし、2階の浴室に置くには荷重対策が必要です。いずれもガラス質のホーロー層で仕上げられているので、特有のなめらかな肌ざわりと美しい色が楽しめますが、シャワーヘッドを落としたりして傷をつけると、そこから錆びるので充分な注意を。小さな傷はすぐにメンテナンスすれば大丈夫です。

 ステンレス
何といっても傷や錆に強く、清潔な状態を維持しやすい点が根強い人気の理由。裏面に保温材を吹き付けてあるので保温性能にも優れ、金属特有の肌ざわりさえ気にならなければ、申し分のない浴槽といえます。

 人工大理石
FRP系の高級仕様で、天然大理石風の色調と樹脂素材を生かした加工性のよさ、肌ざわりのよさといった特徴があります。豊富なカラーバリエーションも魅力です。材質にはしっとりとした肌ざわりで保温性抜群のポリエステルタイプ、硬質で衝撃に強く、色あせしないアクリルタイプなどがありますので、好みのものを選びましょう。

 

6.洗面室のプランニングのコツ

“洗面室で何をするか”で、広さ・プランが決まります。
洗面室のタイプには顔を洗うだけの専用タイプ、洗面室と脱衣所、さらに洗濯機置場も兼ねた兼用タイプがあります。

 

専用タイプは廊下やホールの一部に洗面化粧台を置くというケースが多く、出窓と組み合わせたタイプも出ています。兼用タイプで広さに余裕がある場合は、次のようなプランが考えられます。

 

 ベンチのある脱衣所兼洗面室
やや広めの洗面室には造り付けのベンチを設けると、お年寄りなどはゆっくり座って着替えができるので喜ばれます。また、湯上がりに休憩したり、ベンチ下を脱衣かごの置き場にするなど、メリットはたくさんあります。

 ユーティリティーコーナーとして
洗濯機を置いて主婦の家事室と兼用するプランです。この場合、洗濯機の置場に注意し、洗面台と直交しないようにしましょう。面積に余裕があれば、アイロンがけのできるコーナーや家族の着替えを収納するコーナーなどを1カ所にまとめて設計するのも一案です。

 パウダールームとして
洗面室でお化粧する女性は多く、化粧品の収納コーナーをつくったり、メイクアップの色味が分かるように自然光を取り入れたり、3面鏡タイプを選ぶなどの工夫が考えられます。自然光を取り入れにくい場合は洗面化粧台の照明を自然光に近い白熱灯にするとか、鏡はくもり止めヒーター付きのものにするとか、便利なパーツを選びましょう。

 7.システムキッチンのビルトイン機器

温度センサー付きコンロ
センサーで鍋底温度を検知して、天ぷら油の過熱や空だきを防止したり、コンロや魚焼きグリルの消し忘れを防ぐタイマーが付いています。
一般家庭からの火事の主原因となっているのが、天ぷら油の過熱による発火です。これは油の温度が約370度に達すると、自然発火してしまうからです。天ぷら油過熱防止機能が付いていれば、約250度になると自動的にガスを止めてコンロの火を消すので、たいへん安心です。
また煮物の焦げつき消火、油温の一定温度キープなど、便利でしかも安全で安心な機能を装備したものもあります。

 フッ素コート加工コンロ
トッププレートにフッ素コート加工を施しています。しつこい油汚れや煮こぼれもサッと拭き取るだけで、簡単に落とせます。

 コンビネーションレンジ
ガスオーブンに電子レンジ機能が付いたオーブンです。同時に使用すれば外からはガスの炎でこんがりと、内部は電子の力でスピーディーに火を通し、調理時間を短縮。もちろん、別々にも使えます。

 ビルトイン食器乾燥機・食器洗い乾燥機
ユニットに組み込まれた食器乾燥機は食器を清潔に乾燥し、普段よく使う食器を収納しておくこともできます。また、食器洗い乾燥機は一度に5~7人分の食器を洗浄、乾燥。後片付けの手間が大きく省けます。

 キッチンシューター
生ゴミの処理は、なるべくコンパクトにして、こまめに室外に出すことが基本。キッチンの外壁まわりに余裕があれば、キッチンシューターをお勧めします。生ゴミはポリ袋に入れて投入口から捨てるだけ。投入口を開ければ自動的に換気扇が回り出すので、気になるにおいもシャットアウトします。

 足元温風機
キッチンは北側に配置されることが多く、リビングやダイニングに比べて寒いもの。足元温風機を組み込めば足元が暖かく、気持ちよく作業できます。

 

8.トイレのプランニングのコツ

トイレスペースの大きさ
トイレはほかのスペースの犠牲になりがちですが、少しでも広いほうが使いやすいので、できるだけスペースを確保しましょう。最低、135×90cmぐらいは欲しいところです。また、出入口の幅は最低60cm(車いすの利用を考えるなら80~85cm)、できれば65cm以上にします。

 トイレのドアの開き方
通常は内開きが多いですが、最近は中で人が倒れた場合のことを考えて、外開きにする家庭も増えてきました。しかし、トイレは廊下に面 していることが多く、人の動線を考えないと外開きドアは事故の元です。最も省スペースでイザという時にも安心なのは、引き戸です。

 トイレは各階に
2階建・3階建住宅の場合、各階に1カ所ずつトイレを設けましょう。階段を昇り降りしなくてもトイレに行ける利便性もちろんのこと、朝など家族が分散して使用できる点がメリットです。 ただし、この場合気をつけたいのは、上下階でトイレなどの水回りゾーンを揃えること。配管や配線を集中させたほうがコストダウンが図れるからです。

9.給湯器の種類

貯湯式
貯湯タンクにいったん水を溜めてから、ゆっくり加熱して沸かしあげます。
湯圧が低くおさえられているので、2階ではシャワーの勢いが不足するのが難点です。

 元止め式
器具の付いているその1カ所のみに給湯するタイプです。
複数箇所の総湯やお風呂を沸かすためには、別に給湯設備が必要です。

 先止め式
水が器具を通過する間に加熱されてお湯になる方式です。
使う分だけのお湯を、使う時につくるので無駄がありません。

 セントラル給湯
浴室・洗面・キッチン・洗濯機カランなど複数の場所に一つの給湯器で給湯するタイプです。現在の主流ですが、さらにお風呂沸かしや暖房などの機能を一つのボイラーに集約したものもあります。
ガス瞬間湯沸器の能力は号数で表されます。家庭用のセントラル給湯は16号が主流ですが、最近では能力がアップした24号へと移りつつあります。24号給湯器だと、冬場でもキッチンとシャワーなど、2カ所でお湯を同時に使っても湯温・湯量が変化しません。

10.浴室の設備

気泡風呂
最近、健康への配慮から気泡風呂を取り付ける人が多くなっています。浴槽の湯を吸い込み、噴出するときに空気を吸い込むことによって気泡を発生させるもので、気泡と噴流の効果で新陳代謝を促進します。神経痛や疲労回復に効果があるといわれています。

 サウナ
本格的な高温タイプのほか、リラックス目的の遠赤外線タイプや美容効果も期待できるスチームサウナなどが一般的。給湯器にスチーム機能が付いているタイプもあります。

 浴室暖房換気乾燥機
換気乾燥システムは洗濯物の乾燥が目的ですが、このシステムを採用することによって、浴室も乾燥し、暖房機能もあるので冬場の入浴が苦痛でなくなります。どのメーカーの商品も、換気・乾燥の2機能は付いています。 取り付けは換気扇の排気口を利用します。取り付けが不可能な場合もあるので、メーカーなどに問い合わせるのがよいでしょう。

 自動風呂機能
空の浴槽に自動的に湯が注がれ、あらかじめ設定しておいた水位にくると自動的に停止し、湯温も設定温度になります。しばらくして湯温が下がると再び加熱され、入浴していて湯が減ると自動給湯されて水位がもとに戻るというしくみになっています。お風呂の沸かし過ぎやお湯の止め忘れがないので便利です。外出先からお湯はりの可能なテレコントロール付きのものもあります。

11.トイレの設備

トイレに欲しい機能の1位は、ウォシュレットに代表される温水洗浄便座です。
「洗浄」「暖房便座」「温風乾燥」の基本機能に加えて、「脱臭」「抗菌」といった付加価値の付いた商品もたくさん出ています。

 

 パネルラジエーター
風を起こさないふく射式暖房機器なので、においが気になるトイレに最適です。 薄型なので場所もとりません。